ごくまれにしか出現しないオスのツダナナフシがみつかりました
2024.04.10
伊丹市昆虫館の飼育室の中で、ごくまれにしか出現しないオスのツダナナフシがみつかりました。
ツダナナフシは宮古島、石垣島、西表島および台湾に分布する大型のナナフシです。
海岸のアダンというタコノキ科の植物だけを食べます。
メスが交尾をせずに卵を産むことができる「単為生殖(たんいせいしょく)」という方法で繁殖し、オスはめったに現れません。
これまで石川県ふれあい昆虫館(2015年)と伊丹市昆虫館(2016年)の飼育個体でオスが見つかった例がありますが、その出現の理由や条件はくわしくわかっていません。
さらに今回、2024年4月8日に、伊丹市昆虫館の飼育室の中でオスのツダナナフシがみつかりました。オスは、メスに比べて体が小さく、長い後翅が目立ちます。
このオス個体は、2024年4月10日(水)から5月6日(月)までの期間限定で、1階の生態展示室で生きたまま展示しました(現在は展示を終了しております)。
文・写真:長島聖大(伊丹市昆虫館 学芸員)